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Channel: Classic Concert diary
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トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン

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トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーンのコンサートに行ってきました。
ホールは、サントリーホールでした。

毎年恒例のコンサートです。
今年もクリネットはシュミードル、コンマスはシュトイデで変わりませんが、他のメンバーは微妙に変わっていたように思います。
今までは余り目にしなかったベルリン・フィルのメンバーが数人入ってました。
同じメンバーで老齢化してゆくよりも新陳代謝が必要ですよね。

プログラムは

モーツァルト  セレナータ・ノットゥルナ
フンメル    トランペット協奏曲(ソロ ハンス・ペーター・シュー)
ショパン    ドン・ジョバン二の「お手をどうぞ」による変奏曲(ソロ 菊池洋子)
モーツァルト  フルートと管弦楽のためのアンダンテ
ベートーヴェン 交響曲第2番

アンコールは、ワルトトイフェルのスケターズ・ワルツでした。

感想は、聴く僕の方がマンネリ化してきているのだと思いますが、卒のない室内管弦楽団という印象で、不満もありませんが感動もないコンサートでした。

今日一番印象に残ったは、アンコールのスケーターズ・ワルツでVaとCbが刻むウィーン独特の三拍子のリズムです。
フレアーのロングドレスで踊る貴婦人のステップに合わせたリズムがとても心地良かったです。

フンメル、トランペットのための協奏曲としてはモーツァルトの作品と並んで有名な曲ですが、当時は出来たばかりの楽器トランペットのテクニックを聴かせて観客をびっくりさせる作品だったと思いますが、現代においては驚くところは何もなく、音楽的に素晴らしいと思うところもなく、ほかにトランペット協奏曲がないから演奏され続けているだけの作品だと思います。
モーツァルトのホルン協奏曲などの管楽器の協奏曲を聴くと思いますが、当時のスーパーテクニックを聴かせるだけの為の作品が、モーツァルト作曲というだけで演奏され続ける価値があるのか疑問に感じます。

ショパンの変奏曲、シューマンがショパンを天才と評価し、ショパンが世に出るきっかけとなった作品ですが、演奏はあまり面白くありませんでした。
作品が僕の好みに合わないからだと思います。
6つの変奏もそれほど変化を感じませんし、工夫があるとも、面白い変奏とも思えませんしショパンの才能も感じられません。
17歳の時のオケを伴う最初の作品という事ですから晩年(と言っても36歳の生涯ですが・・)の作品に比べても仕方ないとは思いますが、また聴きたいかと問われれば「いいえ」と答えます。

モーツァルトのアンダンテはプログラムの解説にもありましたが、偶々第2楽章だけ残ったのか、どの作品かの第2楽章の代替として作られたのか、成立はよくわかりませんが独立して聴いて面白い曲ではありませんでした。
あくまでもコンチェルトの一部として演奏されるべき曲で、完結した1曲として聴くには盛り上がりもなく、メロディカルでもなく、演奏の終了も音楽的には客席にはわかりにくく拍手までに一瞬の間がありました。

この曲といい、ショパンといい、隙間を埋めるためにプログラミングされたような印象が残る作品でした。

最後にベートーヴェンの2番。
可もなく不可もない演奏でした。
ベートーヴェンの交響曲の中では珍しく、明るく前向きな希望に満ちた曲ですから、フルオーケストラによる重厚な演奏よりも、室内管弦楽団による軽やかな演奏の方が適していたと思います。
曲自身は、野心に満ちて実験的で常識を破壊してゆくベートーヴェンの面目躍如といった部分が沢山含まれている曲ですが、そんな学問的なことよりも、軽さと楽しさを前面に打ち出した演奏でその意味では楽しめた演奏でした。

シュミードルはいつ引退しても驚きませんが、シュトイデはまだ若いのでこの「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン」は来年も続くと思います。
さて、チケットを購入して聴きに行きますか?、と今問われたら答えは「ノー」かもしれません。
などと言いつつ、来年もチラシを見たら行きたくなるかもしれません。
今年も、期待に胸が膨らむとか、血沸き肉踊る、等といったワクワク感は全くありませんでしたから来年も淡々と聴きに行くかもしれません。
この安定感が安心感を引き出してくれて案外精神的にはいいのかもしれません。
来年はどうしようかなぁ・・・。

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