「原バーゼルシュタイナー麻理子 & 上野通明 With ダニエル・ゼペック & オリヴィエ・マロン」という長い名前のコンサートに行ってきました。
ホールは、トッパンホールでした。
Vn ダニエル・ゼペック
Va 原バーゼルシュタイナー麻理子
Vc 上野通明、オリヴィエ・マロン
というちょっと変則な楽器構成による室内楽のコンサートでした。
コンサートの題名は出演者4人の名前の羅列、長くなった原因は原さんが結婚されてご主人の名前を間に挟んだからです。
一人でチェリスト二人の名前より長いんですから。(笑)
プログラムは
バッハ ゴルトベルク変奏曲(ダニエル・ゼペック、原バーゼルシュタイナー麻理子、上野通明)
シェルホフ ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(ダニエル・ゼペック、オリヴィエ・マロン)
アレンスキー 弦楽四重奏曲第2番(ヴァイオリン・ヴイオラと2本のチェロのための)(4人)
アンコールはありませんでした。
シェルホフもアレンスキーも初めて名前を聞く作曲家です。
マニアックなプログラムの上に都心部でも積雪の予報の生憎の天気、ガラガラじゃないかと心配でしたが9割以上の入り、杞憂に終わりよかったです。
先ずはバッハ。
トッパンホールのインタビューに原さんが「全曲やるかピックアップになるかお楽しみに」と答えていたのでてっきりピックアップだと思っていたら全曲でした。
弦楽三重奏によるアリア、知らなきゃピアノソロと同じ曲だとは思わないぐらい違う響きでした。
グレン・グールドに慣れ過ぎている耳には鼻歌の聴こえないアリアも新鮮でした。(笑)
第1変奏はピアノソロ版に近く耳慣れた演奏でした。
第2変奏、第3変奏も同様でしたが徐々に「こんな変奏だっけ?」という箇所が出てきます。
聴き慣れない部分があるというのは日頃如何に流し聴いているかの証明だと思います。
グールドの演奏をもう一度集中して聴き直そうと思いました。
難解な音楽じゃないかと恐れていたシェルホフとアレンスキー、どちらも耳に馴染みやすい曲でした。
不協和音もなく、不自然に感じる旋律もありませんでした。
それぞれの曲を目当てにコンサートに行くことはありませんがプログラムに含まれていても拒否反応は起こさないで済みます。
新たな作曲家の世界を知ることが出来て貴重な時間でした。
印象的だったのが、原さんの表情です。
バッハは穏やかな時に笑みを浮かべながら演奏していましたが弦楽四重奏曲では曲の進行、変化に合わせて表情も変わります。
バロックとチャイコフスキーを主題に使ったりした後期ロマン派の違いが興味深かったです。
アイコンタクトも原さんが中心になっていました。
やはり内声部のVaがVnとVcの間を取り持つのが最もスムーズに進むんでしょうか?
ほとんどアイコンタクト無しで演奏した前橋汀子カルテットと今日のために組んだカルテットとの違いも興味深かったです。
15時開演で終演が17時半、2時間半たっぷりのコンサートでした。
ゴルトベルク変奏曲を全曲演奏したので長くなった面もあると思います。
ホールを出て時計を見て「もうこんな時間!」とビックリしました。
時間の経つのを早く感じたということはそれだけ内容が充実していたからだと思います。
特に後半の2曲は初めて聴く曲です。
時間を忘れさせてくれる素晴らしい演奏を聴くことが出来た午後でした。