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Channel: Classic Concert diary
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ゲルギエフ & PMF

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ワレリー・ゲルギエフ指揮、PMFオーケストラのコンサートに行ってきました。
ホールはサントリーホールでした。

恒例のPMFの東京公演です。

プログラムは

ロッシーニ     歌劇「ウィリアム・テル」序曲
ラフマニノフ    ピアノ協奏曲第2番(ソロ ドミトリー・マスレエフ)
ショスタコーヴィチ 交響曲第10番

アンコールはピアノソロでチャイコフスキーの「18の小品」から「踊りの情景」「トレパークへの誘い」 とメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」の「スケルツォ」のラフマニノフ編曲版の2曲でした。

PMFオーケストラは今年で両手に余る回数聴いています。
毎回違ったメンバーが世界各国から集まり一定期間最高レベルの指導者の元みんなで技術を磨きその成果としてコンサートが開かれています。
毎回若者たちの上手さに感心をします。

しかし今年は・・・。

個別の楽器というか、個別の奏者にレベルのバラつきが大きかったです。
管楽器は曲ごとにTopが入れ替わりますが、フルートとトロンボーンの一部の奏者にレベルに達していないなぁと感じさせられました。
毎年若手の名手が揃うわけじゃないんですね。

ピアノソロのマスレエフ、今年のチャイコフスキーコンクールの覇者です。
技量の高さ、音楽表現の深さ、豊かさ、アンコールのメンデルスゾーンでまざまざと見せつけられました。
さすが、チャイコフスキーコンクールの覇者だと実感しました。
アンコール1曲目では、テクニックの確かさは感じられましたが、テクニックを見え付けるようにバリバリと弾いているだけで音楽性はあまり感じられませんでした。
プログラムのラフマニノフに至っては弾かされている感が強かったです。
ピアノソロも、伴奏するオケも、至って平凡、可もなく不可もなく、面白くもない演奏でした。
ところがアンコールで俄然輝きを取り戻しました。
コンチェルトならラフマニノフではなく、プロコフィエフやラヴェルの方が音楽性にも合い面白く聴けたと思います。

メインのショスタコーヴィチも無難な演奏でした。
不可ではありませんが、可でもなく、失望もありませんが、感動もない演奏でした。
一部の奏者を除いて個々は下手ではありませんし、オケとしてのまとまりがないわけではありません。
ただ、テンポラリーに集まったメンバーだけに遠慮があるのか、打ち解けなさを感じました。
従来のPMFでは個々が主張し合い、ぶつかり合い、いい意味での競争心が素晴らしいインスパイヤを生んでいました。
今年は性格的に大人しいメンバーが集まってしまったのかもしれません。
もっと、俺が俺が、の若者らしい演奏を聴きたかったです。

今日とっても気になったのは、ティンパニ以外の打楽器奏者が耳栓らしきものをしていたことです。
自分が演奏するときは外し、演奏が終わって待機するときには耳栓をしていました。
打楽器や金管から耳を守るために、アクリルボードの仕切りを使っているオケは偶に目にします。
しかし耳栓をしているオケは初めて見ました。

時代は変わりつつあるんですかねぇ~。

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