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Channel: Classic Concert diary
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ハイティンク & LSO With ペライア

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ベルナルト・ハイティンク指揮、ロンドン交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールはNHKホールでした。

毎年恒例のNHK音楽祭の初日です。

プログラムは

パーセル    メアリー女王のための葬送音楽(スタッキー編曲)
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番(ソロ マレー・ペライア)
ブラームス   交響曲第1番

アンコールはありませんでした。

配置は対向配置、1stVn、Vc、Va、2ndVnと並び下手にCbが並びます。
今日も興味深い譜捲りでした。
Vaは上手側の奏者が譜を捲ります。
ストコフスキー配置でも今日の配置でもVaは上手ですから首席奏者が上手側に座って譜めくりは下手側のトップサイドの奏者がするのが普通です。
ストコフスキー配置でステージサイドに位置した時どっちが譜めくりするんだろう・・・。


オープニングの「メアリー女王のための葬送音楽」ピアノとハープと管楽器という編成の編曲でした。
ステージ上に弦楽器の座る椅子が配置されていません。
しかし管楽器群は山台の上、指揮台は定位置、指揮者と演奏者の間にとても広い空間がありちょっと異様な光景でした。
この曲で思い出すのはスタンリー・キューブリックの「時計じかけのオレンジ」です。
異様な空間の演出は映画のイメージにピッタリだったかもしれません。
聴きながら「時計じかけのオレンジ」の色んなシーンが頭の中で再現されていました。

続いてペライアのソロでベートーヴェンのピアノコンチェルトの4番。
ペライアは、楷書で透明感高い響きで耳に爽やかなベートーヴェンを聴かせてくれました。
ドイツ音楽、ベートーヴェン、からイメージされる重厚感とは縁遠いベートーヴェンでした。
バックハウスが好きな人には物足りない演奏だったと思いますが好みの問題だと思います。
第2楽章の美しさは特筆に値する演奏だったと思います。

休憩を挟んでブラ1。
お手本のような演奏は沢山あると思いますが、その中でも見本のような演奏でした。
日本にはハイティンクを平凡で凡庸なつまらない演奏をする指揮者と評する人が沢山います。
確かに演奏には目新しさもありませんし斬新さも感じません。
テンポにしても強弱にしてもダイナミズムにしても耳慣れない部分は全くありません。
ハッと驚く場面は全くありません。
しかし音楽は淡々と進んでいるわけではありません。
生き生きとして充実感に満ち満ちた演奏でした。
独自の解釈に基づいた斬新な演奏がもてはやされることが多くありますが、基本に忠実に基本通り演奏しても類を見ない名演になりうる典型のような演奏だったと思います。
充実のブラ1にとても満足させられたコンサートでした。

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