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Channel: Classic Concert diary
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ダイクストラ & 都響

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ペーター・ダイクストラ指揮、東京都交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、東京文化会館でした。

今日はパーヴォ・ヤルヴィの首席指揮者就任記念のN響のサントリー定期の日でした。
でも、どうしてもスウェーデン放送合唱団のモツレクが聴きたくてN響をパスして都響を聴いてきました。
N響のメインが「バラの騎士」組曲じゃなかったらどっちに行くかもっと悩んだと思います。
悩まずに済んだのはプログラムのおかげでした。

都響のプログラムは

リゲティ    ルクス・エテルナ
シェーンベルク 地には平和を
モーツァルト  レクイエム

定期演奏会なのにアンコールがあり、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」でした。

コーラスはスウェーデン放送合唱団でした。
ソリストは
ソプラノ クリスティーナ・ハンソン、
アルト  クリスティーナ・ハマーストレム
テナー  コニー・ティマンダー
バス   ヨアン・シンクラー
でした。


今日の白眉はアンコールの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」でした。
N響をパスして聴きに来た甲斐がありました。

今日は仕事が忙しく、コンサートの最中も電話がかかってきており、20分のインターバルでは電話が捌けず演奏が終わり指揮者が袖に下がったところで客席を出ました。
出てすぐに電話をしようとしたのですがまだ圏外でした。
するとそこでホールの案内係の女性が「今日はアンコールを準備していますが」と言われました。
「アヴェ・ヴェルム・コルプスですか?」と聞いたら「はい」との返事、すぐに席に戻りました。
しかし、アンコールはすぐには始まりません。
定期演奏会ですからアンコールはないと思った方が次々と席を立ちます。
せっかくアンコールをするなら勿体をつけずにさっさと始めてより多くの方に聴いて頂けばいいのにと残念です。
何度目かの登場で客席の拍手を制し英語で「スモールプレゼントです」とアカペラでコーラスが始まりました。

清泉としたとても清らかな響きで素晴らしい歌声でした。
スコアに書かれたままそのままに、妙な変化をつけたりテンポや強弱をいじることなく心に染みとおる演奏でした。
アンコールを聴いただけで都響を選択してよかったと心の底から思いました。

期待していたモツレクは、ヴェルディのレクイエムかと見紛うような解釈の歯切れがよく威勢のいい、力感に満ちた演奏でした。
モツレクにこんな解釈もあるんだ・・・、と驚きました。
しっくりとは来ない違和感を感じる演奏でしたが、それはそれとして面白かったです。

1曲目のイントロイゥスから拍子を刻みますのでレガートさは微塵もありません。
行進曲風とまでは言いませんがしっとり感の感じられない演奏です。
2曲目のキリエに至っては早くもディエス・イレが始まったのかと思いました。
大人しかったのはラクリモサぐらいでした。
ソリストはステージ最前列に並んで座るのですが、歌う段になると席から立つだけでなく指揮者を囲むようにステージ中央に集まります。
コーラスの最中に立ち上がり準備をして、歌い終わっても次の曲が始まるのを待って席に戻ります。
面白い演出ですがモツレクらしくはありませんでした。
流石にソプラノソロだけは席を立ってその場で歌っていました。
ソリストで言うと、ソプラノは素晴らしく、バスはいただけませんでした。
テナーとアルトは可もなく不可もなく、でした。

前半の2曲はどちらもよく知らない曲なのでなんとも感想の述べようがありません。
リゲティの曲はスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙への旅」で有名になった曲ですが映画のシーンは浮かんできましたが演奏に対する感想は浮かんできませんでした。
リゲティもシェーンベルクも、俗物の僕には理解の域を超えているということは理解できました。

「アヴェ・ヴェルム・コルプス」モーツァルトの才能に感服しました。
何度聞いても素晴らしい曲です。
報酬を得るためだけにしか曲を書いていないにも関わらずモーツァルトはどうしてこんなに素晴らしい曲がけたのか不思議で仕方がありません。

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