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Channel: Classic Concert diary
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読響アンサンブル With 菊池洋子

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読響アンサンブルと菊池洋子さん競演のコンサートに行ってきました。
ホールは、よみうり大手町ホールでした。

久しぶりの室内楽のコンサートでした。
よみうり大手町ホールは初めてでした。
客席501席、2014年3月開場の真新しいい中ホールです。
木質を中心としたホールはとても居心地のいい落ち着いた雰囲気のホールでした。

読響アンサンブル、今回のメンバーは
Fl 一戸敦
Ob 蠣崎耕三
Cl 金子平
Fg 井上俊次
Hr 松坂隼
ホルンの松坂さんが首席代行以外は全員が読響の首席奏者、綺羅星の如きメンバーが勢揃いでした。

プログラムは

モーツァルト  歌劇「魔笛」序曲(木管五重奏版)
モーツァルト  ピアノと管楽のための五重奏曲
ベートーヴェン ピアノと管楽のための五重奏曲

アンコールはモーツァルトの五重奏曲の第2楽章でした。

1曲目の魔笛の序曲。
正直面白くありませんでした。
管楽五重奏ですから音が五つしかありません。
たった5音で魔笛の序曲をやなくてもいいだろう、が感想です。
フルオーケストラでいくらでも聴けますから木管五重奏版の意味も価値もわかりません。
音がスカスカで、緊密感に欠け、メロディーを追いかけているだけでアンサンブルの面白みも感じられませんでした。
大昔、オーケストラがなかなか聴けない時代なら価値があったと思います。
しかし、今や生オケも気軽に聴け、テレビやCDではもっと気軽に聴ける時代です。
果たして必要なんだろうかと思います。
歌舞伎が気軽に観られるようになって落語のジャンルの一つだった芝居噺しが廃れ今では演じる落語家が一人もいなくなりました。
同じように、浪曲が廃れ、講談が廃れ、どちらも早晩、芝居噺しと同じ道を辿ると思います。
ニーズが無くなったものは無理に存続させず時代の淘汰に従うべきだと思います。
魔笛序曲の木管五重奏版も淘汰の運命にあるのではないかと思いつつ聴きました。
面白かったことといえば、オケでは大音量に聴こえなくなってしまうクラリネットやファゴットの音が終始聞こえその響きを楽しめたことぐらいです。

続くピアノを交えての五重奏曲では、ピアノの実力をまざまざと見せつけられました。
ピアノの有無の対比のために置かれたのであれば1曲目も価値はあったと思います。

ピアノは1つの楽器でありながら10音が出せ、単独でアンサンブルも和音も楽しめます。
そこに木管が4種類加わるのですからお白くなかろうはずがありません。
音量を伴った華やかなピアノに盛り立てながら聴く木管のアンサンブルがホールを満たすのはとても心地いい響きでした。
日頃は地味で縁の下の力持ちFgにも度々スポットライトが当たります。
こんなにFgの音を沢山聴くのは黒木綾子さんのFgソロを聴きに行って以来だと思います。

五重奏曲2曲で面白かったのはモーツァルトとベートーヴェンの対比でした。
奔放に、自由気儘に、趣くさまに書き記しているモーツァルト、一方有名になる前の若い頃の作品にも関わらずベートヴェンはベートーヴェンらしく、重厚で苦悩すら感じられる作品に仕上がっています。
天真爛漫と熟慮熟考、ふたりの対象的な面が感じられとても面白く聴くことができました。
ベートーヴェンの後にアンコールでモーツァルトを聴き、ますますその感が強くなったのかもしれません。

読響アンサンブルシリーズ、年4回やっているそうなのでまた聴きに行きたいと思いました。
ひとつ希望を言えば、開演19時半終演21時ではなく、開演19時終演20時半の方が嬉しいな、ぐらいです。

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