大井剛史指揮、東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールはきゅりあんホールでした。
フレッシュ名曲シリーズの中の1回です。
プログラムは
ヴァルハン コントラバス協奏曲(ソロ 白井 菜々子)
リスト ピアノ協奏曲第1番(ソロ 桑原 志織)
ベートーベン 交響曲第6番「田園」
アンコールは、コントラバスのソロでコンチェルトのカデンツァをもう一度。ピアノソロでショパンのエチュードから「エオリアンハープ」でした。
ヴァルハン、初めて名前を聞きました。
コントラバスがソロの協奏曲を聴くのも初めてでした。
チェロコンチェルト同様指揮台の下手にソリスト用の台が置かれていますが椅子はありません。
高いスツールを使うのかと思っていましたがそれが見当たりません。
登場した東フィル、コンマスも各パートの主席も顔馴染みとは少し違います。
フレッシュコンサートだけに相応のメンバーということでしょうか?
オケのチューニングが終わってソリストと指揮者が登場します。
若い、とっても可愛い女性が華奢な身の丈よりも大きなコントラバスを抱えて登場です。
そしてソリスト用の台の上に立ちます。
やはり立ったままでの演奏でした。
でも、立ったままでの演奏ならソリスト用の台必要?と思ううちにコンマスとチューニングして演奏が始まりました。
ヴァルハンはプログラムによるとモーツァルトとも交友があったウィーンで活躍したチェコ人の作曲家だったそうです。
「モーツァルトの曲だよ」と言われて聴いたら素直に信じます。
活躍した時代がなるほどと納得させたれる曲でした。
初めて耳にした曲ですから良いも悪いもわかりませんが、この時代のコンチェルトは楽器の発達を際物のようにして聴かせる趣旨で作曲されているものが主ですが、まさにその路線を正しくなぞった曲だと思います。
決してつまらない今日だとは思いませんが以降コントラバス協奏曲が主流にならなかった理由が良くわかりました。
演奏後拍手に応えてステージに登場するのに自分の身長よりも大きなコントラバスを抱えて登場する姿に大変だなぁ置いてくればいいのに、と思いました。
アンコールの後再度楽器を持たずに登場しソロ用の台の上に立った時は楽器が無いだけに違和感がいっぱいでした。
演奏姿も猫背で見た目はあまり美しくないし、コントラバスのソロって難しいなぁと思います。
続くリストのコンチェルト。
今度は耳慣れた曲だけに安心して聴けます。
少し粗削りな感じはしますがとっても上手なピアニストでした。
出だしだけは緊張してるのか少し指の周りの悪さがあり「あれっ」っと思いましがそれも最初だけ将来に大きい期待を感じます。
まだ21歳の芸大の3年生、小さく纏まらずのびのびと成長して欲しいです。
アンコール、当然リストと思っていたらショパンが始まったのにはビックリしました。
とってもチャーミングなエチュードでした。
後半は「田園」
これまた安心して聴くことができる演奏でした。
ことさら自己主張するところもなく、だからと言って決して退屈ではなく、極端なメリハリはないものの単調でもなく、とてもバランスの良い演奏でした。
端正で生真面目なとても好ましい演奏です。
大井さんの上手にオケを統率する力を感じさせられる演奏でした。
田園、ベートーベンの交響曲9曲の中での好きな順位は他を大きく引き離して圧倒的9位なので積極的に聴くことはありません。
この入場料で東フィルで聴けるなら偶にはと思ってチケットを購入しましたが大正解でした。
ウィーンフィルやベルリンフィルのベートーベンチクルスでは費用対効果が合わないので絶対に聴きませんが、この入場料でこのクオリティに高さ、大満足でした。
大井剛史さん、また聴きたいと思います。