小泉和裕指揮、東京都交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、東京文化会館でした。
3週間前には自分が載ってたステージを客席から見るとそのことが信じ難く思います。
プログラムは
ベートーベン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(ピアノソロ エル=バシャ)
シューマン 交響曲第2番
アンコールはありませんでした。
エル=バシャのソロ、出だしから軽いタッチがとても軽やかで流麗なエンペラーです。
オケは16型のフル編成、厚みのある重めのサポートの上を軽やかに駆け抜けてゆきます。
とっても気持ちのいいピアノでした。
もちろんピアノとオケが対峙して重厚なベートーベンも魅力ですがバシャの行き方もとても魅力的でした。
シューマンも素晴らしい演奏でした。
特に第1楽章が素晴らしかったです。
もう一つ上げるなら広田さんのソロ。
小泉さんの充実度の高さ目を見張りました。
従来から奇を衒わぬ正面から堂々と取り組む姿勢でしたがそこにいよいよ大家の風格が見え始めたような気がします。
従来は真面目さの方が目立っていたのに、今はスコアを正面から捉える端正なスケールの大きさを感じます。
手の込んだフレンチも魅力ですが小泉さんは素材をそのまま短ラテを加えずにとても美味しく食べさせてくれる演奏だと思います。
スコアに素直に忠実に、しかしてそこには深い思索と深い洞察と高い次元の理解に裏打ちされた音楽が奏でられてると思います。
都響の充実は言うに及ばずですがそれを率いる小泉さんの充実をひしひしと感じるコンサートでした。