小川典子さんのピアノリサイタルに行ってきました。
ホールは銀座のヤマハホールでした。
銀座のヤマハビルが老朽化に伴いリニューアル工事されてオープンしたのが2010年とのこと、ついこの間と思っていましたがもう7年経つんですね。
行きたいコンサートは多々あったのですが中々タイミングが合わず今日が初めてでした。
席はA列の7番。
最前列で下手から7番目です。
席に座ってビックリ、ピアノのシートが目の前です。
2mぐらいしか離れていません。
ステージは膝っ小僧ぐらいの高さですから手を伸ばせば奏者に届きそうです。
ミューザ川崎の最前列で聴いたことがありますがステージは低いですがステージの広さはフルオーケストラを乗せられますのでピアノそろでもある程度距離があります。
王子ホールの最前列にも座りましたがもう少し距離がありました。
オペラシティのリサイタルホールの最前列と良い勝負かもしれません。
今日のリサイタルで演奏中の小川さんの一番近くにいたのは僕だと思います。v(^^)
プログラムは
モーツァルト ピアノソナタ3番
モーツァルト ピアノソナタ11番「トルコ行進曲付き」
リスト ラ・カンパネラ
ブラームス 6つの小品より「間奏曲」
シューマン 幻想曲ハ長調
アンコールはサティの「ジュ・トゥ。ヴー」でした。
今日は珍しく小川さんが喋りませんでした。
アンコールの前に簡単にヤマハホールの思い出を語ってアンコール曲の紹介をしただけでした。
珍しい!
欲求不満がたまってないか心配です。(笑)
演奏は、いつもながらの素晴らしい演奏でした。
力強い打鍵で、一音一音が粒だって混濁しない澄み切った歯切れのいい演奏です。
今日は最前列でピノがすぐ目の前だったせいかいつも以上に一音一音が綺麗にセパレートされて聴こえてきました。
でも耳にが慣れてくると調和のとれた音の分離具合に聴こえてきます。
過去の記憶を辿って脳が補正してくれるからだと思います。
人間ってよくできてますね。
今日の白眉はシューマンでした。
第一楽章、小川さんがこんなに感情あらわに弾く姿は余り目にしません。
小川さんのことですから感情に流されることはありませんが情感こもったしっとりとした素晴らしい演奏でした。
小川さんの新たな一面を見た気がします。
シューマンを聴いた後に思ったことですが、シューマンに比べると弾き慣れたトルコ行進曲やラ・カンパネラは水も漏らさぬ完璧さではありますが手慣れてリラックスした演奏だったと思います。
一音もゆるがせにしないできっちりと正確に弾くモーツァルト、なんですがゆとりと大らかさを併せ持った大曲として演奏されたモーツァルトでした。
どんな作曲家、どんな曲にも、見下すでもなく見上げるでもなく、リスペクトしながら正面から立ち向かってゆく小川さんの演奏は大好きです。
目の前で弾くラ・カンパネラ大変さがとっても良くわかりました。
高校生の時にヤマハホールで弾いた思い出の曲だそうですがこんな難曲よく高校生で弾く気になったなぁと感心します。
超有名曲ですから細かな間違いには誰もが気付きます。
しかしながら高いテクニックが要求される難曲、挑戦意欲だけで弾きこなせる局ではありませんから高校生には大変だったと思います。
まぁそうじゃなきゃ高校卒業していきなりジュリアードには行きませんよね。
アンコールのサティ、軽妙でとっても素敵な演奏でした。
重厚な力感あふれる素晴らしいシューマンの後、ふっと肩の力を抜かせてくれるとっても素敵なアンコールでした。
ドビュッシーじゃなくてサティを選曲、小川さんのセンスの良さが光るアンコールでした。
ホールから帰りの直通エレベーター、かたせ梨乃さんが乗ってたような気がしたんだけど…。