ファビオ・ルイージ指揮、読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、みなとみらいホールでした。
ルイージがこの料金で聴ける?と驚く低料金のチケット代ではありましたが夏休み中とはいえ平日のマチネーガラガラだろうなぁと予想していたらビックリ。
満席とまでは言いませんが9割以上の入り。
場所と時間のハンデをクォリティとチケット代金とでクリアーしたんでしょうね。
プログラムは
R・シュトラウス ドンファン
ハイドン 交響曲第82番「熊」
R・シュトラウス 英雄の生涯
アンコールはありませんでした。
今回は昨日のうちにプログラムを確認しておきました。
記憶としては、シュトラウスの間に何か変なのあったよな、でしたので記憶は正確でした。
もちろん、ハイドンの「熊」が変という意味ではなく、シュトラウスの間に挟むには変な曲という記憶です。
どうして間がハイドンだったんだろう?
「ティル」でも「死と変容」でも「メタモルフォーゼン」でも候補曲は沢山あっただろうに・・・。
コンマスは長原さん、トップサイドを小森谷さんが固める豪華な布陣。
Vaは鈴木さんがトップで柳瀬さんがサイド、ここで気づきました、鈴木学さん連荘でした。
オケや指揮者の連荘は珍しくありませんが一人の弦楽器奏者の連荘は初めてでした。
そんなことを考えていたらドンファンが始まりました。
明るく華やかで分厚い音がいきなり飛んできてビックリ!
読響の実力はTop3の一画と思っていますから少々の演奏には驚きませんが予想しなかった音が飛んできてビックリしました。
これを引き出したのもルイージのなせる技、初共演でこれだけ鳴らすのって凄いなとのっけから圧倒されました。
華麗で豪華で煌びやかでシュトラウスらしいサウンドで眩い世界を描いてくれました。
続くハイドン。
パリセットの最初の曲ですから何度も聴いたことがあるはずですが良く覚えていない曲です。
もっともハイドンの交響曲は「時計」とか「驚愕」とかの印象的なメロディー以外はみな同じに聴こえて知ってるメロディーでも何番なのか良くわかりません。
交響曲好きの僕ではありますがハイドンに対する興味はこの程度です。
演奏は古臭さの全くない、モダン楽器で演奏するハイドンのお手本のような演奏だったと思います。
曲名を知らずに聴いたらハイドンとは思わなかったかもしれません。
唯一覚えている第4楽章の主題に至って初めてハイドンと気づいたようなきがします。
明晰に分析された進められますがその中にほのぼのとした温かみが感じられる演奏でした。
ラストに英雄の生涯。
何といっても長原さんのソロが素晴らしかったです。
これは特筆に値する出来だったと思います。
ミッシェル・シュワルベとまでは言いませんが生で聴いた英雄の生涯のソロでは一番でした。
Hrの松崎さんのソロもとても素晴らしかったです。
1アシまで含めると9人のHr群が圧倒的な素晴らしさでした。
今日の演奏は第1稿での演奏でした。
途中は違いをほとんど意識しませんでしたがラストに至ってビックリしました。
消え入るように静かに終わり、最後は休符で終わるらしく音が無くなってもルイージは指揮棒を下しませんでした。
そして下した瞬間割れんばかりの大拍手が巻き起こりました。
通常は演奏終了後拍手の最中に席を立つ人が沢山いますが今日はオケのメンバーがステージを下り始めるまでほとんどの人が席に座っていました。
まさかアンコールを期待して座っていたのではないと思います。
演奏に対する惜しみない拍手だったと思います。
ルイージ素晴らしいです。
触発されて導かれた読響も素晴らしかったです。
しかもこのチケット代、何から何まで申し分のないコンサートでした。