上岡敏之指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、みなとみらいホールでした。
今日は3階席をクローズしていました。
ピアノソロのコンサートでP席をクローズしたり、ミューザ川崎で4階席をクローズするのは見たことがありますが、オケのコンサートでフロアーをクローズするのは初めてです。
最初からチケットの売れ行きが悪いって覚悟の上ってことですよね。
3連休のマチネー、それほど条件が悪いとも思えませんし、ポピュラーなというよりは受けが良さそうなプログラムなのに・・。
さすがプロ、主催者の読みはピッタリ当たっていました。
3階をクローズして、チケット代もB席3,000円、C席2,000円と格安に設定しているにも拘らず8割ぐらいの入りでした。
特別演奏会なので定期演奏会と違ってチケットは1回毎の販売のようですし、新日フィルは横浜で定期邸にコンサートを開いているわけではないので馴染みが薄いのかもしれません。
今日のプログラムでこの入りだと10月のマニアックなプログラムでは半分どころか1/3程度の入りじゃないかと心配になります。
C席2,000円ならガラガラ具合の確認に行こうかなという気にすらなります。(笑)
ポピュラーなプログラムは
ベートーベン ピアノ協奏曲第4番(ソロ デジュー・ラーキン)
マーラー 交響曲第5番
アンコールはありませんでした。
マーラーの印象が強烈過ぎて、大人しい演奏だったベートーベンは記憶が薄れてます。
ラーキンのソロはとても心地の良い美音が良く響きます。
第2楽章の弦楽合奏との絡み合いがしっとりと魅力的でした。
オケも後半とはまるで別のオケの如く、出過ぎず大人しすぎず、しっかりとソロを引き立てる万全のバックでした。
後半のマーラー、なんとも表現の難しい演奏でした。
大変に印象に残る演奏でした。
テクニックという面では素晴らしい演奏でした。
Tpの出だしも、Hrの日高さんも、崔さん率いる弦楽器群も、申し分ない素晴らしい演奏でした。
表現が難しいのは上岡さんの解釈です。
独特のテンポ設定、日頃は目立たないパートを目立たせたり、少なくともオーソドックスな演奏ではありませんでした。
でも違和感満載ながらそれはそれとして面白い解釈でした。
CDで聴きたい演奏ではありませんが偶に生で聴くならこの解釈も目新しくて面白いかなと思います。
残念ながら都合が合わずに聴きに行けなかった6番がどんな演奏だったか気になります。
この調子で7番を演奏したらどんなことになるのか興味が大いに沸きました。
人と違うことをやってやろうと奇を衒った解釈ではないと思いますがスコアをどう読み込むとこの解釈になるのか是非上岡さんに聞いてみたいです。
大昔チェリビダッケのブルックナーの8番を聴きながら「どうしてこのテンポになるんだろう?」と不思議に思いながら聴いたのを思い出しながら聴きました。
終演後オケのメンバーが誰もいなくなってもステージに群がって拍手する人たちを見ながら不思議に思った気持ちが終演直後に「ブラボー」と叫ぶ人の声に蘇りました。
僕にとっては終演後直後にブラボーと叫ぶには未消化な部分が多過ぎる演奏でした。
だからって決して嫌いな演奏じゃありませんが・‥。