アブデル・ラーマン・エル=バシャのピアノリサイタルに行ってきました。
ホールは、ミューザ川崎でした。
プログラムはオールベートーヴェン。
ピアノソナタ 第8番「悲愴」
第14番「月光」
第21番「ワルトシャタイン」
第23番「熱情」
アンコールももちろんベートーヴェンで「11のバガテル」から第3番でした。
このプログラム、今年2回目です。
5月に清水和音さんで聴きました。
曲の順番は清水さんの時と「月光」と「ワルトシュタイン」が逆ですが同じプログラムを半年で2回聴くのも珍しい経験でした。
エル=バシャの演奏、性格の異なる4曲をそれぞれに弾き分けて、とても素晴らしい演奏でした。
特に「熱情」の重厚な響きが耳に残ります。
エル=バシャはタッチの重いピアニストではありません。
にも拘らず重厚な「熱情」でした。
どちらかといえば軽快で明快なタッチ。
透明感の高い美音で明晰な流麗とした響きを聴かせてくれます。
ただ奏でる一音一音は深い響きです。
エル=バシャの持ち味を生かしながら4曲の性格に応じて弾き分ける。
簡単にできることではないと思います。
作曲家が違えばまだしもどれもベートーヴェン、4曲とも聴衆のほとんどの人が隅から隅まで熟知してる超有名な曲ばかり。
それぞれの曲で納得させる演奏、素晴らしかったと思います。
重厚な「熱情」の後にバガテルの3番。
とってもチャーミングで可愛らしい演奏で会場を微笑みで満たしてくれました。
アンコールまで含めて1つのコンサートとして構成されそのどれもが素晴らしい充足感に満ちたコンサートでした。