小山実稚恵さんのデビュー30周年記念リサイタルに行ってきました。
ホールは、みなとみらいホールです。
小山さんのピアノ、今年の6月N響定期でも聴いていますし、ピアノソロのアンコールもありました。
25周年のブラームスのピアノコンチェルトも聴きに行きましたし、今までに10回以上のコンサートで聴いています。
コンチェルトの後にはほとんど毎回ピアノソロのアンコールもあったと思います。
しかし、過去の記録を調べてみて自分でも意外だったのですがピアノソロのリサイタルは今日が初めてでした。
自分自身「えっ?」と俄かには信じがたい思いです。
プログラムは
シューベルト 即興曲 作品90-3
即興曲 作品142-1
即興曲 作品90-4
即興曲 作品90-2
バッハ シャコンヌ(ブゾーニ編曲)
リスト 愛の夢第3番
巡礼の年第3年より第4曲「エステ荘の噴水」
ショパン ノクターン 作品9-2
ポロネーズ第6番「英雄」
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
アンコールは
グラナドス スペイン風舞曲より第5曲「アンダルーノ」
アルベニス 入江のざわめき
パヴァーヌ・カプリツィオ
でした。
相変わらずの素晴らしい演奏でした。
それぞれの演奏が作曲家それぞれの個性を生かしながらもどの曲の演奏も小山さんでした。
何を弾いても同じ、という意味ではありません。
シューベルトはシューベルトらしく、ショパンはショパンらしく、リストの厚みのある和音やエンディングは如何にもリストでしたが、いずれも小山さんでした。
幅広く豊かな個性ゆえに30年間一線で活躍できる秘訣ではないかと思います。
レパートリーに広さも小山さんの魅力だと思います。
○○弾き、と言われるピアニストが多い中、今日のプログラムにも現れる幅広いレパートリーにも魅力を感じます。
レパートリーを広げることを優先するあまり、弾き込まれておらず消化不良のままステージに載せられる、という評があることは承知していますが、衰えぬ意欲と弛まぬ努力は高く評価されるべきだと思います。
アンコールの3曲が素晴らしかったです。
軽やかにリズミカルに、とても楽しく聴かせてくれました。
それぞれの曲は小山さんよりも素晴らしい演奏を聴かせてくれるピアニストがいるかもしれません。
ショパンのスペシャリスト、リストのスペシャリストも沢山います。
しかし、プログラムのどの曲も満足のゆく演奏を聴かせてくれるピアニストは少ないと思います。
というよりも、この様なプログラムを組まないだろうと思います。
これからも小山さんらしい活動を長く続けてほしいと思います。