下野竜也指揮、東京都交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、東京文化会館でした。
マイナーな曲を並べた如何にも下野さんらしい少しマニアックなプログラムだったせいか、オークションなどでは半額近くで売られていました。
僕も半額で聴きに行った一人ですが、ホールに入ってびっくりしました。
ほぼほぼ満席、90%以上の入りでした。
ネットにチケットが出回る公演は人気がなく空席も多いのが通り相場だと思っていましたが、さすが都響、定期会員が沢山いるんだと感心しました。
少しマニアックなプログラムは
コダーイ 夏の夕べ
グリーグ 組曲「ホルベアの時代から」(ホルベルク組曲)
ドヴォルザーク 交響曲第4番
アンコールはありませんでした。
ホルベルク組曲はメジャーな曲ですが、メインがドヴォルザークの交響曲第4盤は渋い選択だと思います。
ドヴォルザークの交響曲の全曲演奏をこなしている下野さんならではのプログラムだと思います。
斯く言う僕もドヴォルザークの交響曲第4番聴きたさに今日のコンサートに行きました。
ドヴォルザークの交響曲、最初の4曲は習作としてカウントせず、現在の5番を1番として「新世界から」は9番ではなく5番と数えられていました。
僕がクラシックを聴き始めた1970年頃はまだレコードの帯に「交響曲第9(5)番 新世界から」と記載されて売られているレコードもありました。
今日の都響「あれっ、今日は格落ち?」と思ってしまう布陣でした。
2ndVn双紙さんがいない都響って初めてかも?、と思います。
僕にとっては「N響の大林さん」以上に「いつもいる人」だったのですが今日は降り番だったようです。
そんなメンバーにもかかわらず若々しく、躍動感あふれる素晴らしい演奏でした。
メインのドヴォルザークの第4番、アメリカ留学のための奨学金を得るためのコンテストに応募した曲ですが、拙さのない習作と呼ばれていた時代があったことが不思議に思える出来栄えの曲です。
第3楽章の主題などは「新世界から」の第2楽章のように歌詞をつけて広く歌われても驚かないメロディーです。
若干安っぽく臭さはありますが、耳ざわり良く覚えやすメロディーでこの頃から既にドヴォルザークらしさが発揮されていたんだと感心をしました。
第4楽章のフィナーレはマーラーのタイタン程ではありませんがしつこすぎる感は拭えません。
そんなところにコンクール応募作として肩に力が入った具合が感じられました。
さは言いながらもっと頻繁にコンサートのプログラムに取り上げられていい曲なのになぁ、と改めて思う曲でした。
前半のコダーイは初めて聴いた曲なので感想は特にありません。
コダーイと言われても「ハーリ・ヤーノシュ」と「ガランタ舞曲」ぐらいしか思い浮かびませんのでらしいのからしくないのかも良くわかりません。
グリーグはお馴染みの曲ですが、語られるとき必ず「北欧の」と枕詞が付けられるグリーグらしさにはかける曲です。
作曲の形式をバロックに倣ったことによるものだと思います。
弦楽五重奏ながら随所にソロを配し豊かな響きに仕上がった曲を相応に響かせてくれた演奏だと思います。
店村さんも、鈴木学さんも、古川さんもいないにも拘らず不満のない演奏でした。
都響の底力、奥の深さを感じさせられたコンサートでした。