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Channel: Classic Concert diary
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スラットキン & N響

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レナード・スラットキン指揮、NHK交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、サントリーホールでした。

プログラムは

バーンスタイン キャンディード序曲
バーンスタイン オン・ザ・タウン「3つのダンスエピソード」
バーンスタイン ウエストサイド物語「シンフォニックダンス」
マーラー    交響曲第4番(ソロ 安井陽子)

前半がバーンスタイン、後半がマーラー、珍しい組み合わせでした。

キャンディード序曲が始まったとき「バーンスタインらしからぬN響らしい重厚な響きだな」と感じました。
後半マーラーが始まったとき「軽快で軽いな」と感じました。

曲想からすると逆なはずなのに、アメリカ音楽が重く、ドイツ音楽が軽く感じられました。

一夜を通しての感想は「スラットキンのアメリカンなコントロールだったな」です。
よりスラットキンらしかったのは後半のマーラーでした。

バーンスタインはN響の機能性の高さをつくづくと感じました。
打楽器群が見事に音楽をリードしていました。
金管群も切れ味鋭く見事な演奏でした。
決して重いわけではないのですが重心の低い音で軽快なリズムのバーンスタイン、音の重さと軽快なリズムがとても素晴らしいバランスでした。

後半のマーラー、いわゆるアメリカンなマーラーでした。
深刻さや内面的な暗さとは無縁な、精神性を重視するのではなくスコアに忠実に再現されたマーラーでした。
特に第1楽章が素晴らしかったです。
第2楽章は少し語り口が奥に引っ込んで音楽が前面に出てこないもどかしさを感じさせられました。
1音高く調律されたヴァイオリンが今一つ生きなかったと思います。
コンマスが1音高いヴァイオリンでソロを弾く関係でトップサイドに座る大宮さんのソロが聴けました。
オケで大宮さんのソロを聴くのは初めてでした。
短いフレーズだったのでソロに関する感想はありませんがとっても新鮮でした。

ソプラノは第3楽章の前に登場しました。
拍手をするべきかしなくていいのか、迷いながらパラパラと起こる拍手が却って曲への集中を中断させられました。
最後にしか登場しないソリストを最初から座らせておくべきか、途中で登場させるべきか、難しい演出だと思います。
第九も以前は第3楽章の前にソリストどころかコーラスまで登場することがありましたが最近はさすがにコーラスが途中で登場することはほとんどなくなったと思います。
マーラーの2番が一番かもしれませんが歌わないのに長時間ステージに座って客席と向き合わなければならないのはソリストにとっては大変だと思います。
しかし、音楽の緊張感を考えれば演奏の最初からステージに登場sルべきではないかと思います。

さてソリストあまり感心しませんでした。
言葉を忠実に歌い過ぎていて音楽がぶちぶちと途切れてしまいました。
もっと音楽を流すことを重視してそのうえで言葉を歌ってほしいと思います。

いろいろと感じるところはありましたが、軽やかなスラットキン、とっても爽やかなコンサートでした。

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