小菅優のピアノリサイタルに行ってきました。
ホールは、ミューザ川崎でした。
プログラムは
ベートーヴェン ピアノソナタ第14番「月光」
ベートーヴェン ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」
武満徹 雨の樹素描機Ν
リスト 巡礼の年第3年より「エステ荘の噴水」
リスト バラード第2番
ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「愛の死」(リスト編曲)
アンコールはメシアンの8つの前奏曲集第1番「鳩」でした。
ベートーヴェンからメシアンまで幅広いジャンルのリサイタルでした。
先ずは「月光」
こんなにテンポがゆっくりとした「月光」は初めてかもしれないと思います。
色んな人のCDを思い出しながら聴きましたがこれだけゆっくりとしたテンポの演奏は思い浮かびませんでした。
音量もPPPぐらいのとても小さな音でスタートしました。
こんなに静かにスタートする「月光」は初めてです。
第2楽章は一転スケルツォが軽やかなタッチで進められ第3楽章はしっかりとしたタッチで2つの主題を見事に弾き分ける素晴らしい演奏でした。
第1楽章に思わず引き込まれ一気に聴き通した「月光」でした。
続く「ワルトシュタイン」は音量・テンポともにオーソドックスな設定でした。
第3楽章のロンドも飽きることのない演奏でした。
小菅さんのベートーヴェンCDも未購入ですしコンサートでも聴いていませんでしたがとても素晴らしい演奏した。
これから積極的に聴きたいと思います。
休憩を挟んで武満徹。
初めて聴く曲でした。
暗譜で弾く姿を見ながら例え間違っても気が付かないなぁと思いながら聴いていました。
ロマン派までの曲なら知らない曲でも間違えば和音に違和感を感じて気が付くと思いますが武満になると正しくても間違ってても気が付きません。
プログラムの「注意深く聴けば調性を聴きとることもできる」との解説を読んで何調か考えるのもやめにしました。
続くリストの3曲は続けて演奏されました。
バラードに続けて「愛の死」が演奏されましたが違和感なく聴けたのはさすがリストと編曲に感心をしました。
あまり得意じゃないワーグナーの中でも一番苦手な「愛の死」が違和感なく聴けたのは収穫でした。
アンコールにメシアンとは思いませんでした。
というよりも出口の告知を見るまでは誰の曲かも判りませんでした。
メシアン、とみてなるほどと納得はしましたが今日のプログラムのアンコールにメシアンは驚きでした。
「月光」のボリュームとテンポに驚き、アンコールに驚き、ビックリに始まりビックリで終わったリサイタルでした。
でも土曜日の午後にひと時、とっても充実した楽しい時間を過ごすことが出来ました。