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Channel: Classic Concert diary
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ヤルヴィ & ドイツ・カンマーフィル

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パーヴォ・ヤルヴィ指揮、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、東京文化会館でした。

都民劇場音楽サークルのコンサートです。

プログラムは

シューマン  歌劇「ゲノフェーファ」序曲
ベートーベン ヴァイオリン協奏曲(ソロ 樫本大進)
シューマン  交響曲第3番「ライン」

アンコールはハンガリー舞曲3番と6番でした。

オケは10型の小さな編成で対向配置です。

1stVn、Vc、Va、2ndVnと並びCbは1stVnの後ろ、ティンパニは2ndVnの後ろです。
下手にホルン、真ん中に木管、ファゴットの並びにTp、Tbと並びます。
演奏はノンヴィブラートでした。

小編成でノンヴィブラートですから、演奏はスッキリとした風通しのいい演奏です。
しかもデッドなホールなのでその特徴一層顕著だったと思います。

コンチェルトではソリストとの志向の違いが垣間見られました。
音楽の解釈というよりも、樫本大進の美音に対してオケは短く刈り込まれた余韻の少ない固い音で応じる響きの違いが大きな印象に違いを呼びました。
ただ、それを強く感じたのは第1楽章で第2楽章以降は違和感も薄れました。
オケがソリストに合わせたのかとも思いましたが、昨夜も同じ曲を演奏していますから僕の耳が慣れたせいなのかもしれません。

樫本大進を初めてサントリーホールで聴いたのは彼がまだ高校生の頃でした。
卓越したテクニックに豊かな音楽性、凄い才能の若手の出現に驚いたのを昨日のことように思い出します。
その彼がソリストとしてではなくベルリンフィルのコンマスを選んだ時にはショックでした。
樫本大進ですらソリスト1本では通用しないとすると日本人器楽奏者が世界超一流のソリストとして独り立ちできるのは夢のまた夢かもと思います。
もちろん下手なソリストよりもベルリンフィルのコンマスの方が遥かに地位が高いことは承知してますがソリストとしては壁を越えられなかったんだなぁと寂しく感じました。

演奏はそんな昔話を吹っ飛ばしてくれる見事な演奏でした。
決して自己主張が強い演奏ではありませんがいつの間にやらオケを寄り添ってこさせるようなそんな演奏でした。
樫本大進の緩みなき成長を感じさせてくれるコンチェルトでした。

休憩を挟んで「ライン」
スッキリした音色で軽快に、時としてシューマンに見られる陰りも憂鬱もない晴れ渡るラインでした。

アンコールは特に6番が遊び心満載、冒頭ではヤルヴィの咳払い入り、とても楽しいハンガリー舞曲でした。
これでもかというぐらいテヌートを掛けたかと思うとアッチェランドして疾風怒濤のごとく走り出したかと思えば急ブレーキをかけて、千変万化とっても楽しい気分でホールを後にすることが出来ました。

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