サッシャ・ゲッツェル指揮、読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、東京芸術劇場でした。
ピアノソロは、ユリアンナ・アヴデーエワでした。
今日のお目当ては初めて聴くアヴデーエワ、ショパンコンクール優勝から早や7年聴こうと思えばいくらでもチャンスはありましたが何となく聴き逃していました。
プログラムは
ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
グリーグ ピアノ協奏曲
ドヴォルザーク 交響曲第7番
アンコールはピアノソロでショパンのノクターン第20番「遺作」でした。
山手線が混雑で遅れ数駅毎に運転間隔の調整と称して発車時間を1~2分遅らせます。
長いエスカレーターを歩いて登りながら時間を確認したら19時丁度、開演に間に合うか遅れるかギリギリです。
客席の入り口に立つと万雷の拍手、係の女性が駆け寄ってきてドアを開けてくれました。
階段を上りステージを見るとゲッツェルは既に客席に背を向けています。
立ちふぉまったらすぐに棒が振り下ろされ演奏が始まりました。
間一髪間に合いました。
数秒遅くても1曲目はロビーでモニター越しに聴くことになるところでした。
配置を確認しようとステージに目をやると上手奥にCbが並んでいるのが目に入ると同時にVaのTopに座る柳瀬さんの輝かしい頭頂が目に入りストコフスキー配置を確認しました。
柳瀬さん、目立ってました。(笑)
魔弾の射手序曲、迫りくる迫力に満ちた一糸乱れぬ好演でした。
読響の実力の高さを再認識しました。
各パートのまとまりの良さ、そのパートが生き生きと絡み合い混濁しないアンサンブル、素晴らしかったです。
お目当てのアヴデーエワ。
ロングヘア―にドレスで登場すると思い込んでいたら髪は後ろでまとめスリムなパンツ姿での登場にちょっと意表を突かれました。
演奏は繊細でとてもきれいな響きのピアノ、期待以上のすばらしさでした。
例えショパンコンクールとは言えコンクール優勝は目安の一つ程度としか思っていません。
甲子園の優勝投手みたいなもんで、プロに行って活躍する選手澪入れば甲子園がピークで鳴かず飛ばず忘れ去られる投手もいます。
コンクールによってはレベルが低く優勝とは言え実力を伴わずコンサートチラシの飾りにしかならないことも沢山見うけます。
ショパンコンクールは最高峰ではありますが所詮コンクール、優勝者が消えその時の2位の方が後年実力を発揮したりする例もありアヴデーエワは・・・と興味津々で聴きました。
アンコールはショパンかなグリーグの小品かなと思っていたところにノクターンの「遺作」。
聴き惚れました。
しっかりとしたピアニズムで素晴らしいショパンでした。
チャンスがあれば少々チケット代が高くても是非聴きたいピアニストです。
メインのドヴォ7。
8番・9番と比較すると演奏回数の少ない曲ですが完成度としては少しも引けを取らない曲だと思います。
メロディーも親しみやすいし構成も変化に富んでいますしもっと人気が出ていい曲だと常々思っています。
ラフマニノフの2番やシュトラウスのアルプス交響曲より遥かに一般受けする曲だと思うのは僕だけでしょうか?
第3楽章のスケルツォ、6/4拍子のリズムに乗ってダンスを踊るが如くステップを踏むが如く軽やかな動きで棒を振るゲッツェルさんの指揮振り、さすがウィーンフィル出身者と思ってしまうのは先入観故でしょうか?
音楽もとっても印象的でした。
4楽章を通じてとてもよく練り込まれたしっかりとした構築のドヴォ7でした。
同じことを魔弾の射手序曲でも感じました。
ゲッツェルさんを聴くのは神奈川フィルで聴いて以来2度目ですがとてもいい指揮者だと思います。
是非とも定期的に来日して欲しい指揮者の一人です。
名曲シリーズに相応しいプログラムを慣れた演奏に流れることなくタガを締めなおして聴き応えのある演奏で楽しませてくれました。
棒に寸時に反応して応える読響も素晴らしかったと思います。
指揮者も、オケも、ピアニストも、満足感に満ち足りたコンサートでした。