アンドレア・バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、オペラシティでした。
バッティストーニとチョン・ミョンフンのプログラムが魅力的なので今年は東フィルの定期会員になりました。
第1回は4月だったのですが急な仕事が入り涙を飲んで断念、今日が僕にとっての今期オペラシティ定期のスタートです。
プログラムは
ボロディン 歌曲「イーゴリ公」より「ダッタン人の踊り」
ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番(ソロ パヴェル・ベルマン)
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番
アンコールはヴァイオリンソロでバッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第1番のサラバンドでした。
筆舌に尽くしがたいコンサートでした。
ヴァイオリンソロのパヴェル・ベルマン、初めて聴きましたし、名前を聞くのも初めてでした。
世の中は広いですね。
こんなに素晴らしいヴァイオリニストを今まで知らなかったなんて。
豊かでふくよかで奥行きが広い素晴らしいヴァイオリンです。
固過ぎず、くだけ過ぎず、バランスが取れたスケールの大きいソロでした。
アンコールのバッハもすっきりとした
タコ5、生で聴くのは何回目か数えたこともありませんが両手両足の指の数でも足りないと思います。
異色の第4楽章でした。
賛否のわかれるところだとは思いますが全体を通してみると凄まじい演奏でした。
ヴィオラが素晴らしくしばしば須田さんに目が行ってしまいました。
目が行きがちだったのは席がLサイドだったので1stVnがほとんど見えなかったのもg店員だとは思いますが、ピッチカートで短めの前髪がぶるんと揺れるところや弓捌きが格好良かったです。
第1楽章から圧倒される演奏でした。
緻密に進められながらも部分部分では奔放で豪快で素晴らしい推進力で音楽がグイグイと進んでゆきます。
緊密に粒だった音の並びが時にFFFで時にPPPで緩急自在に操られます。
14型とは思えない音圧に圧倒されたり変幻自在にオケを操るバッティストーニの統率力に驚嘆しました。
第2楽章はこんなに短かったっけ?と思うぐらいあっという間に終わりました。
演奏を短く感じるということは演奏が素晴らしい証です。
第3楽章もしっとりと素晴らしいラルゴでした。
楽章としての美しさは3本の指に入ると思っているぐらい好きな楽章ですが堪能しました。
そして第4楽章。
コーダに向かってこれでもかというぐらいアッチェランドして一転してのリット。
初めて聴く解釈ですが聴き慣れない違和感は感じましたが音楽としては違和感を感じませんでした。
ただ嫌いな人は受け入れないだろうなぁと思います。
少なくとも空くあの指示ではありませんからバッティストーニの解釈ですが奇を衒っているように聴こえてしまうこともあるでしょうから好き嫌いの大きく分かれるところだと思います。
ホールを出たのが9時半近くでした。
最初のダッタン人、演奏はとても充実していました。
ただショスタコ2曲だけなら9時前にはホールを出られたことを考えると無くても良かったかなぁと思います。
おまけとしては十分に価値のある魅力的なおまけですが時間の問題だけじゃなくプログラムの組み立て、一貫性を考えてもなくても良かったかもと思ってしまいます。
ますます充実を増すバッティストーニ、これからのコンサートも楽しみです。