高関健指揮、神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました。
ホールは、みなとみらいホールでした。
開演時間になりオケのメンバーがステージに登場し始めた時高関さんも一緒にステージに登場しました。
しかも最初から数人目でした。
あれっ?
メンバー全員が着席するとコンマスの崎谷さんのAで弦楽器群がチューニングを始めました。
なんか変です。
チューニングが終わるとマイクをもってスーツ姿の男性が登場し「プログラムにも記載しましたが当団第3代音楽監督のシュナイト氏が・・・・、追悼演奏の後黙とうを・・・」
そしてバッハのアリアの演奏が始まりました。
演奏終了、黙とうの後高関氏は一旦ステージ袖に引っ込み、改めて崎谷氏が立ち上がり通常通りObのAに合わせてチューニングが始まりました。
神奈川フィルでアリアを聴くのは東日本大震災後の定期演奏会以来だと思います。
震災の翌日3月12日も定期演奏会でした。
プログラムは金聖響氏の指揮でマーラーの6番「悲劇的」でした。
会社に泊まって家に帰らぬまま運転を再開した京浜東北線で桜木町に到着。
時間が早かったので三幸苑で餃子でビールを飲みながら店内のテレビをみましたが報道機関も状況を把握できていなかったのか事の重大さは伝えておらず開演に合わせてみなとみらいホールに行きました。
行ってみるとホール内は4割ぐらいしか埋まっていなかったと思います。
しかしオケのメンバーは全員揃っていました。
演奏前に黙とうしただけでしたが翌月の定期演奏会で追悼のアリアが演奏されました。
そして2012年3月10日震災から1年を前に改めて追悼のアリアが演奏されました。
その時以来のアリアでした。
続くプログラムは
シチェドリン ベートーヴェンの入り弦シュタットの遺書 管弦楽のための交響的断章
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番(ソロ アルセーニ・タラセヴィチ=ニコラーエフ)
ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
アンコールはピアノソロでラフマニノフの「楽興の時」第6番でした。
シチェドリンの曲は日本初演だそうです。
ヤンソンス&バイエルンの委嘱作品だそうです。
現代曲ながら耳に馴染みやすい曲で着ていて違和感は全く感じませんでしたが特に強い印象も感じませんでした。
再び耳にすることは無いんだろうなぁと思いながら聴きました。
ニコラーエフ、1993年生まれの若いピアニストです。
基本のしっかりしたテクニックも十分で若さに溢れた清々しい演奏でした。
アンコールのラフマニノフは重層的な構成の曲を重量感たっぷりに音力十分にホール全体にラフマニノフを響かせてくれました。
レンジの広い演奏に将来性を感じさせてくれるピアニストでした。
休憩の後エロイカ。
とてもテンポの速い演奏でした。
しっかりとした筋が一本通た演奏ながら良くこなれた澱むことない軽快なエロイカでした。
無用な重厚感を削ぎ落した見通しのいい演奏でした。
高関さんの統率に応える神奈川フィルの演奏水準の高さに感心しました。
客席の埋まり具合は7割ぐらいだと思います。
演奏の質の高さを考えると空席がもったいないなぁと思います。